マンション管理士の独り言・・・893

マンション管理士の独り言・・・893

「購入時の注意、細かいことだけど・・・。」

購入時の注意シリーズ第3弾です。細かいことですが、トラブルになりがちな事です。
営業マンやゼネコンさん、設計士さんも知らない事です。日頃管理に携わっている人しか気が付かない事です。

まずは、バルコニー腰壁下の排水溝が隣戸までつながっていて、自分宅の排水が隣戸の排水ドレンで竪管処理されているタイプです。
当然ですが、もう反対側の隣戸排水は、自分宅の排水溝に流れてきて自分宅の排水ドレンで処理されていることになります。
仮に自分宅はワンちゃんを飼っていないのに、ワンちゃんを飼っている隣戸から抜け毛が自分宅の排水溝に流れてきて排水ドレンの掃除をしなきゃなんない、ってなったらイヤでしょ。ワンちゃんの抜け毛でなくてもプランターからの残土なんかが流れてくるっていうクレームはよく寄せられます。
知らず知らずのうちにお隣さんと不仲になっていく、というパターンも多いようです。
バルコニー隔て板の下部の排水溝が隣戸へ通じている造りになっているマンションでは、隣戸への気配りが大事です。

また、そもそもバルコニーに設置している排水竪管が1住戸に1本なく、2住戸で1本っていう建て方をしているマンションもあります。
排水竪管が設置されている住戸はたまったものじゃありません。
「何で、お隣さんから流れてきたゴミを掃除しなきゃならないの!」となってしまいます。
売主さんがお金をケチっているとしか考えられません。

バルコニーに関して言えば、火災時の避難ハッチが極端に少ないマンションもあります。
2年ほど前に建った戸畑のマンションでは、例えば5階ならば501号室~510号室まで10並びです。
通常避難ハッチは2住戸に1つですが、このマンションでは10並びなのに510号室バルコニーにしか設置されていません。
もし510号室の方が避難ハッチで避難しなくなった時は、502号室、503号室~と8枚の隔て板を突き破って非難しなくちゃなりません。芸能人罰ゲームのようです。
これも明らかに売り主のコスト削減の思惑からです。

機械式駐車場の操作盤の不足というのもあります。北区のマンションでは、24パレットに1基の操作盤です。
通常操作盤は2~4パレットに1基設置されていますが、少なくても6パレットに1基はほしいものです。
24パレットに1基ですから朝の通勤時には操作盤待ちの方が並んで待っています。
当初から設置されていないと操作盤は増設できません。
これも明らかに売主がケチったからです。

パンフレットやモデルルームではわからない細かな事ですが、住んでから以降トラブルになる事例です。
ケチってないで、通常設備するべきものは設備してくれなきゃ、住民間でトラブルになってしまいます。

購入者ももっと勉強しなきゃですが、それより何より売主の姿勢が問われています。