マンション管理士の独り言・・・905

マンション管理士の独り言・・・905

「アンケート調査」

日本相撲協会が、土俵上に女性が上がることを禁止している「女人禁制」について様々な方面から批判や意見があがっています。そこで、無作為に抽出した方に対しアンケートを実施するようです。
これを素直に“良いことだ、いろんな方からの意見を聞くべきだ”と捉えられないのがつぶやき主の悲しい性です。
マンションの管理に関する仕事に携わる前ならば、素直な反応だったのでしょうが、管理の仕事をするようになってから、ひねくれたのか?弊害を気にするようになったのか?ビミョーですが、アンケートを実施するのはそれなりの覚悟が必要です。

アンケートを実施する場合には、気を付けなければならないことが沢山あります。
まずは、アンケートの項目や言い回しに知恵が必要です。
回答を一方の方向へ誘導しているようにしてはいけません。
今回の相撲協会のアンケートでも、“伝統が大事だ”ということをあまり前面に出してはいけません。
“この言い回しはオカシイ、回答を誘導している”“なぜこの質問項目が入ってないのか”なんてクレームはしょっちゅうです。

続いて、設問に対し複数回答アリかナシか?“どちらでもない”という回答欄を設定するのか?このような「伝統重視」か「女性の権利保護」かという通常ならば対立することのないイデオロギーに関し、“優先するのはどちらか?二つのうちのどちらか一つを選べ”って言われても、“う~ん。どちらでもないかな。明確に優先する方は選べないよな”ってなりそうです。

また、アンケート実施につきものの、「その他ご意見あればどうぞ」というのが困りものです。多くの意見が出され、それをどのように扱うのか困ってしまいます。
マンション管理組合でアンケートを実施する際に、出されたご意見にどのように向き合うのかは理事会にそれなりの覚悟がいります。
アンケート結果を重視するのはもちろんですが、圧倒的な票差にならないのが普通で、アンケートを実施したがゆえに迷路に迷い込むなんてこともあります。

出されたご意見についても極力前向きに取り扱わなければなりません。
“折角意見したのに、そのことに全く取り組んでいない。もう意見しない。”とならないようにしなければなりません。

このことは、「目安箱」「ご意見箱」についても同様です。
組合員の方がご意見を出しやすいように“「ご意見箱」を設置して開かれた管理組合にしよう”なんて提案が出されますが、出されたご意見にキチンと対応するという覚悟があれば、“どうぞやりましょう”ですが、いろんな意見が出され、中には対応できないってこともありますので、必ずしもプラスに働くとは限りません、とアドバイスします。

アンケートを実施するというのは、多くの方の意見を聞くというそれなりに民主的な手法ですが、実際にはかなりの知恵と工夫、そしてエネルギーがかかるというのが実感です。
そして残念ながら、管理組合活動にプラスにならない場合がある、というのが現実です。

先週土日で総会を3つこなしました。つぶやき主は議事進行役ですので、話しまくりです。
北区の管理組合さんでは61ページに及ぶ議案書で、17時に始まり、総会後の新旧役員さんの引継ぎが終わる21:20分まで立ち会っていました。
金麦がペールエールのように美味しく感じられました。