マンション管理士の独り言・・・911

マンション管理士の独り言・・・911

「隔て板」

隔て板とは、隣のバルコニーとの間についているアルミ枠で設置されたプラスチック製(多くはケイ酸カルシウム板)の板の事です。もし火事になった際に消防法により二方向避難となっていますので、玄関とバルコニー側に避難通路が確保されています。
玄関側に火が回っていたら、バルコニーに出て隔て板を蹴破り隣のバルコニーに逃げ込んで非難する、となります。
ですから隔て板のそばには植木鉢などを置いちゃ、ダメですよ。

この隔て板は、火事の際にすぐに蹴破れなきゃ、用を果たしませんので、簡単に蹴破れる程度の強度となっています。
その程度の強度なので、高層階ではちょっとの風でも破れることもしばしばです。
マンション共用部分に総合保険を付保しているのでいれば、気の利いた管理会社さん(もしくはマンション管理士)ならば保険対応とし、管理組合の手出しゼロで上手に処理してくれます。

費用の方は何とか保険でカバー出来たとしても実際の補修に際しては、その住戸の入居者の協力が必要です。
隔て板補修のためだけに足場は設置できませんので、職人さんはその住戸に入室させてもらい補修することになります。
強風で破損したのですから、その隔て板で隣接している二つの住戸のどちらにも責任があるわけではありません。
しかし破損が数度となり、いつも同じ住戸の方に入室させてもらっての補修ばかりとなると、「いつも自分の家から補修してる。その都度会社を休んで在宅しなきゃならない。今度はお隣さんに頼んでよ」ってなります。

”お隣さん同士なんだから、お互いで話し合ってよ“とは行かないのがマンションです。
簡単な挨拶のみっていう程度の軽いお隣さん付き合いは、そこかしこ、です。
“つぶやき主さんお願いね”ってなります。

関係するのがお隣同士というたった二件なのに、話し合いが上手くいかないのがマンションです。
隔て板に限らず、隔て板下部の排水溝を二つの住戸で利用している場合もそうですが、一つの設備を二つの住戸で使うって仕様の場合、トラブルが発生しやすくなります。
それ以上の多くの方の共有関係にある共用部分の維持管理で話がまとまるわけないじゃん、と思いつつ、今夜も総会です。

しまなみ海道往復170キロを自転車してきました。尾道に車を停め、雨の中を大変な思いをして今治まで、ペダルをこぎまくりました。
今治で一泊し、翌朝美味い鯛めしを食べて、尾道まで復路です。
橋が6つもアリ、それが全部高いところにあるので、結構アップダウンがありましたが、何より高くて怖かった。足がすくみました。

夜の総会に備えて、今からまたキャノンデール、です。