マンション管理士の独り言・・・920

マンション管理士の独り言・・・920

「オービジョンマンション」

最近お気に入りのマンションが、「オービジョンマンション」です。
何が気に入っているかというと販売姿勢です。
「オービジョンマンション」は、販売戸数を記しています。
チラシの一番隅に小っちゃく物件概要があります。この物件概要は、宅建業法により公告時には、これら項目は物件概要として必ず記載しなさいよと決められているものです。

別々に総戸数と販売戸数という項目があります。
例えば総戸数100戸のマンションで販売戸数は、100戸と記されています。
総戸数というのは、説明の必要もなく、そのマンション全体の戸数を示します。
これに対し販売戸数というのは、今現在販売されている戸数を記すものです。
総戸数100戸であっても第1期50戸しか販売していなければ50戸と記します。
また、100戸全部売り出してその結果40戸売れて、残り販売できるのが60戸ならば販売戸数は60戸と記すこととなります。

ところが市内多くのマンションでは、総戸数と販売戸数との数が一緒です。
販売戸数は総戸数に合わせられています。
チラシの片隅のあんな小っちゃいところにわざわざスペース割いてまでとっているのに同じ数字なら2つ書く必要なんてありません。
販売開始されてもうずいぶん経っているので、どんなに売れ行き悪くたって1戸も売れていないなんてあり得ません。

これには理由があります。在戸数を知られたくないのです。
「もう売り出しから〇か月経っているけど、まだこんなに売れ残っているじゃん。」「人気のないマンションなんだ」と売れ行き不振マンションという風評が出ることを避けようとしているからなのです。
でもこれは消費者への適切な情報開示という宅建業法の主旨には明らかに反する手法です。
いつからこのような姑息なことをやり始めたのでしょう。

つぶやき主が販売センター長だったころは、販売戸数はキチンと記載していました。
もっとも“記載した販売戸数が正確な数字だったのか?”って、言われれば、「スミマセン。売れ行き好調の様に見せていました。実際より少ない戸数としていました。」です。
実際より少ない戸数=すでに売れている住戸が多い=売れ行き好調物件=早くしないと売り切れちゃいますよ、という手法でした。

“なんだ正確な情報を伝えていないという点では、総戸数=販売戸数と記すのと一緒じゃん”と言われれば、返す言葉がありません。

結局何をつぶやきたいのか分からなくなってきました。
しかし、市内多くの売り主さんが総戸数=販売戸数としている中で、「オービジョンマンション」だけはキチンと法の主旨に則って、販売戸数を記しています。
立派な販売手法じゃん、とお気に入りです。

“でもその販売戸数は、本当の数字なの?”って聞かれれば、“うぅ~ん、それの3割増しくらいが本当の在庫じゃないかな”というのが答えです。

それって、何を信じればいいの???