マンション管理士の独り言・・・944

マンション管理士の独り言・・・944

「防災備え」

この数か月の間に、岡山・広島などを襲った西日本集中豪雨から始まり、関西国際空港はじめ関西エリアが大打撃を被った台風21号。
そして極めつけは震度7の北海道大震災と自然災害が猛威をふるっています。
先日参加した西小倉防災研修会では、講師の方が北九州は自然災害には強いと言われていました。強いといった後に、あまり自然災害に見舞われない地域ですと訂正していました。しかし7月5日の豪雨では紫川や板櫃川が氾濫危険水位を超え、溢れそうになったエリアもあったそうです。“北九州は安全”とはもはや言えなくなってきています。

分譲マンションの場合、鉄筋コンクリート造で耐火構造物でもあり一般的に戸建てに比べ自然災害そのものには強いのですが、戸建てにはないエレベーターや給水ポンプ、オートロックシステムなどの設備があり、それらが充実している分だけ特に停電時には生活に大きなダメージがあります。
エレベーターには非常用バッテリーが付いていますが、それはカゴが階の中間で止まった時に最寄り階に着床させ、ドアを開けるためだけのもので、停電すれば止まってしまいます。
上階にお住いの方や、足が不自由だったり、お年寄りの方はエレベーターがストップしてしまえば、生活に支障をきたします。
給水がストップしたので1階の給水所まで水を取りに行かなきゃならない、エレベーターが動かないのでポリタンクいっぱいの水を両手に抱えて10階くらいまで登らなきゃ、となってしまいます。

停電となれば給水もストップします。直結増圧給水の場合は、停電でポンプが動かなくても3階くらいまではそもそもの圧により給水されると言われていますが、受水槽や高置水槽タイプではポンプが停止すれば給水もストップしてしまいます。
ただし受水槽の中の水を利用することで命を繋ぐこともできたという事例もあるようです。
高置水槽があり、地震でヒビが入ったのを気が付かず電源をONのままにしていて、停電が解消され1階の受水槽から高置水槽へ給水されだした途端に、漏水事故が発生したという事もあります。

福岡市や仙台市では分譲マンションの防災・減災パンフレットを作成していますし、多くの管理会社さんも自然災害への備えマニュアルみたいなものを作成しています。
とても参考になるマニュアルです。
これらをもとにつぶやき主がお世話している管理組合さんへ、そのマンション独自の防災マニュアルを作成しようと考えています。

機械式駐車場のある管理組合さんへは、手動でパレットを下ろし入出庫できる方法や、屋上にソーラーパネルある組合さんへは、そのパネルから電源引いて共用部照明やスマートフォン充電に使えないか、或いは受水槽に蛇口を数カ所取り付け、飲み水が確保できないか、などそのマンションにあったマニュアルを作成しようと考えています。

管理会社さんやエレベーターメーカーさん、ソーラーパネルメンテ社さん、更には市の地域振興課、危機管理課などを巻き込んで、役に立つマニュアルが出来ればいいなと考えています。