マンション管理士の独り言・・・952

マンション管理士の独り言・・・952

「こんなことが起こるなんて、驚きです」

自主管理のマンションです。地元の信用金庫さんに管理費などの口座振替の手続きを行ってもらってます。
会計担当の理事さんが月の半ばまでに、管理費などの金額を記した引き落とし依頼一覧書を作成し、信金さんへ持ち込みます。
その依頼書に従って、信金さんは組合員の口座から指定額を引き落とします。
引き落とされたものをまとめて当月末までに管理組合の口座へ振り替えるという流れです。
その際もし残高不足などで、引き落としが不能になった組合員があると「○○○号室の△△様は引き落とし不能」って報告があります。
この報告がないと、誰が管理費などの不払いになっているのかわかりませんし、不払いの方には督促も行わなくてはなりません。
ここまでが一連の流れで、管理組合は信金さんに手数料を支払っています。
管理会社さんへ委託している管理組合さんは、このような流れ・手続きになっているなんて知らないでしょうが、仮にも個人の通帳からお金を引き落とすのです。
管理会社さんもこのような煩雑な手続きを毎度毎度行っているのです。

“銀行さん、信金さんだから任せて大丈夫!!”のはずでした。
ところが9月分の管理費がいつまでたっても管理組合口座へ入金されません。
組合員からはいつもの通りキチンと引き落としされています。
おかしいと思った会計理事さんが、信金さんに問い合わせますが、窓口では要領を得ません。たらい回しにされた下げた挙句にやっと入金していないことに気が付いたようです。
そこから信金さんの対応が一変しました。
「申し訳ありません、申し訳ありません」のオンパレードだったようです。

ひょっとしたらまだ手違いがあるのではと、会計理事さんが調べました。
すると5月分について1件の引き落とし不能があったことが判明しました。
ところが、どこの誰が引き落とし不能になっているのかの記載がありません。
何号室のどなたが不払いになっているのか分からないのです。

それらの連絡を受け、週明け早々に会計理事さんとつぶやき主とで信金さんを尋ねました。
初めは“窓口でお待ちください”だったのですが、次にローンなどを扱う個室に招かれ、その後フッカフッカのソファーのある応接室に通されました。
コーヒーまで出されました。お茶をいただいたことは何度かあるのですが、コーヒーは初めての経験です。
その後、課長さんや次長さん、最終的には支店長さんまで出てきて「当庫の手違いです。申し訳ありません。」のオンパレードです。
銀行さん初め金融機関さんが間違うはずがないという前提で出来上がっているのがこの社会です。税務署さんだって何かあれば“通帳を見せて下さい”って言います。
通帳に書いていることが正解なのです。

5月分が未納になっている組合員へ督促に行かなきゃなりません。
“何で今頃になって言ってくるの?”って叱られそうです。
当然信金さんにも立ち会ってもらい、管理組合の手落ちではなく、信金さんの手違いだってことを言ってもらわなきゃ、です。
また余計な仕事が増えました。

しかしこんな単純なことで間違いが起こるものかね、と思っています。

信金さんは5月分9月分の手数料はしっかり引き落としていました。
恐るべし・・・。