マンション管理士の独り言・・・977

マンション管理士の独り言・・・977

「扱いがむつかしい」

宅配ボックスに目の不自由の方のために点字シールが付いています。
これが何度も剥がされます。
剥がされているとみっともないし、新たに貼りますがその費用も多少ですがかかります。
大げさに言えば組合員の共通の財産である共用施設に損害を与えています。
組合員の中には、このような事が気になって仕方ない方がいて、その都度管理会社へ対応を迫ります。「何とかしろよ!!」です。
掲示物などで何度も注意警告を行いますが効果が表れず、貼っては剥がされ、また貼っては剥がされの繰り返しです。

警察に被害届を出すことも考えましたが、先ずは出来ることをやろうと、防犯ビデオの確認です。
防犯ビデオを見る際は理事長の承諾の元、複数人で見なければなりません。
しかも被害が発生した時間がピンポイントで特定されていなければ、大層な時間がかかります。
2週間分が録画されていますので、それを全部見るだけで2日以上かかっちゃいます。
早送りで見ると何が何だかわかりません。人物が特定できる程度のスピードで見るならば3倍速くらいが限度です。
今回剥がされた時間が3時間くらいの間と特定されていましたので、助かりました。

剥がしている人物が特定できました。お子さんです。管理人さんに聞くと○○○号室のお子さんとのことです。
対応について管理会社さんと打ち合わせです。
管理会社さん曰く、他のマンションであった同様の事例では当該住戸の奥さんへ苦情を申し入れたところ、「自分の子供がそんなことするわけない」と逆切れされたそうです。
防犯ビデオに写っているといっても後ろ姿だけで、点字シールを剥いでいるような仕草をしているという程度です。
剥がしている手先までが鮮明に映っているわけではありません。
逆切れされちゃうと抗弁のしようがありません。

では具体的な犯人像はぼかして掲示物などで知らせようとしましたが、それまでも散々掲示物で注意警告していたのに効果が出なかったことを考えるとあまり期待できません。
「子供さん」と記載すると犯人捜しが始まるおそれもあります。
結局、つぶやき主がその住戸を訪問し、丁寧に説明にご注意いただこうとなりました。
いちおう管理組合顧問という肩書なので、管理会社さんが行くより上手くいくだろうとの期待からです。

訪問しご説明しました。奥様の「えっ、うちの子がですか?」というのが最初の反応でした。
そして、横で聞いていたお子さんに「あんた、そんなことしたの?」って聞けば、悪びれることなく「ウン!」です。
不謹慎なようですが、奥様もつぶやき主もちょっと苦笑いです。
「悪戯ですから、あまり叱らないでやってください」「申し訳ありませんでした」で話は終了です。

勿論、誰が剥がしたかに関しては、理事長はじめ組合員の誰にも言っていません。
こんな些細なことですが、大勢の人が暮らす分譲マンションでは、日常茶飯的にこのようなことが起きていますし、それを解決するために管理会社やマンション管理士が水面下で頑張っているのです。
サンダーバードみたいです。
1号スコット 2号バージル 3号アラン 4号ゴードン 5号は誰だっけ?