マンション管理士の独り言・・・1019

マンション管理士の独り言・・・1019

「機械式駐車場と自走式駐車場」

最近内覧会同行した物件は全て自走式駐車場ということに気が付きました。
アーティックス青山ヴェラヴィータ、折尾クロステージ、ザサンパークシティ黒崎と3件ともデス。
これは管理組合とすれば嬉しい傾向です。
街中でスペースが取れないが、戸数100%分の駐車台数を確保しなければならない、なんて場合には機械式駐車場もやむを得ませんが、敷地に余裕があるのであれば自走式駐車場のほうが断然いいに決まっています。
自走式駐車場は機械式駐車場と比べて停めやすい、入庫しやすいというのはありますが、何より維持管理費に雲泥の差があります。

建築費は、自走式駐車場の方がはるかに高くつきます。また、工期も機械式駐車場よりもたっぷりかかります。
現在分譲中の、東区のマンションでは当初は自走式駐車場だったものをコストがかかりすぎるという理由で機械式駐車場に変更したほどです。

機械式駐車場は金食い虫です。年に4回のメンテナンス費用が1パレット当たり約10,000円かかります。さらに5年くらいすると、チェーンが固着してきてその取り換えや横行モーター、リミットスイッチ、センサーなどの補修が毎月のように発生します。
駐車料金を月額11,000円以上に設定しないと管理組合が手出しになるという試算もあるようです。
機械式駐車場は確実に管理組合の財政を圧迫します

加えて最近は、駐車場が余りつつあります。マンション入居者の高齢化に伴って、車に乗らない人が増えたようで、小倉北区でも八幡東区でも駐車場が余って、2台目として募集しているが中々埋まらないというマンションが増えています。
入居者だけでは駐車区画が埋まらないからと、安易に近隣住民へ貸し出すことも出来ません。
税法上の収益事業とみなされ、貸し出した数台分のみならず、駐車台数のすべてに課税されるおそれがあるからです。
最近の税務署は、怖い存在です。以前はスルーしてくれていたマンション屋上に設置している携帯基地局に対して5年遡って課税しだしたことからも本気度が伺えます。
これにはつぶやき主も「可処分所得であって、個人に課税するなら兎も角、徴収しやすいからと言って管理組合をターゲットにするのはおかしくね?」と異論を挟んだこともありましたが、相手が悪い。税務署相手に喧嘩するバカはいません。
管理会社も屁っ放り腰です。

駐車場の種類のみならず、マンション購入の際は、健全な財政状態となる物件を選ぶという視点も必要です。