マンション管理士の独り言・・・984

マンション管理士の独り言・・・984

「内覧会での確認事項」

年度末の3月末までに多くの新築物件で内覧会が実施されます。1月竣工で2月中旬ころ内覧会、その2週間後に確認会を経て3月初旬に引き渡しというのが標準的な流れでしょう。3月初め竣工で、内覧会~確認会、引き渡しが3月末という物件は、いかにも3月中(当年度中)の売り上げに計上するためっていうのがミエミエで十分な工期が確保されているとは言い難いマンションのような気がします。

毎年数十件、内覧会に同行し、販売センター長だったときは売主側として1000件近くの内覧会を実施したつぶやき主が、流石にプロは違うなっていう内覧会で気を付けるべき点をちょっとだけ教えちゃいます。

まずは、パンフレットやモデルルームから仕様変更になったものがあるか?ないか?の確認です。信じられないでしょうが、サッシュの高さが違っていたり、部屋内の梁の出っ張りが図面と違ってるなんてことが結構あります。オプションや追加工事が注文通り出来ているかどうかの確認も当然ですが勝手に標準仕様を変えていたり、施工上どうしても変更しなければならなくなったものだってあります。
当初のモデルルームから仕様を変更して、それを買主に告げることなく、モデルルームの方を変更し、あたかも初めからモデルルームはこの仕様でした、って何食わぬ顔の売主さんだってありました。

続いては遮音性能の確認です。当初の設計通りに遮音性能が確保できているかどうかを確認するために、竣工後の部屋で実際に騒音を発生させ、そのデシベル数を確認するという検査(環境調査という)を行ったのかどうかを聞きましょう。
行っていれば、その検査結果も教えてもらわなくちゃ、です。周りの道路の騒音などで環境調査が行えなかったという場合もあるでしょうが、この時は、“では設計では何デシベルとしていますか?”ということを確認しましょう。
入居後に階下との間で騒音トラブルになった際に、設計通りの遮音性能が確保できていなかったら、物件に問題あり、です。

スロップシンクが付いていれば、バルコニーの手摺の際の排水溝に水を流してみるのもいいでしょう。
内覧会終了時にもう一度見て、水が流れ切ってなければ、排水溝の勾配が取れていない可能性があります。
敷地内もグルっと歩いてみましょう。ちょっと前に雨が降っていて、アスファルト舗装部分に水溜りがあれば、これも雨水処理が上手くいっていないことになります。前面道路から雨水が流れ込まないような勾配になっているのか?グレーチングはあるのか?なども確認しましょう。

本当は屋上に上らせてもらって屋根防水の精度を確認したいところです。ドレン周りに苔でも生えていればそこには常時水が溜まっていることになります。
福岡の物件では、入居後に管理会社主催で屋上をはじめとする共用部検査ツアーを実施するところもあります。

あまりつぶやきすぎると、売主デベさんに睨まれちゃいますから、この辺で。

まだまだ素人の方では気が付かない視点があるのですが、それは企業秘密。