マンション管理士の独り言・・・995

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「福岡がうらやましい」

福岡物件を購入しようとする方からのご相談が増えています。内覧会同行や購入前の管理規約などの検証依頼です。
管理規約などを検証した感想は、「福岡はうらやましい。北九州は遅れてる、っていうかアコギな業者が多い」ってものです。
例えば、分譲駐車場ですが、この件に関しては口が酸っぱくなるほどそのアコギな販売方法を訴えていますが蟷螂之斧です。一向になくなる気配が見られません。
所有権というのは、その物を自由に“使用・収益・処分”出来る権利です。敷地全部を区分所有者に売っておきながら、特定の個人にだけ使用させる権利を売ること(つまりその人以外は使用できない)が何故出来るのか頭の悪いつぶやき主には全く理解できません。

未販売住戸の管理などの負担についての取り決めについてもそうです。
西鉄さんが分譲するサンリヤンシリーズでは、引き渡し時に未販売住戸あった時は、その住戸の管理費・修繕積立金は勿論1戸につき1台の駐車場代金、さらにその住戸のインターネット使用料までも負担します。素晴らしい!!
これに対し北九州では、管理費について、「実収入で不足するときは、不足した分だけ売主は負担する」とされていますし、修繕積立金は負担しないって堂々と記載しています。
不足した分だけだって・・。セコイ。
売れていない住戸ならば、その所有者は売主でしょ。所有者なら管理費など負担するのは当たり前っしょ。
しかも売れていない住戸を売るためにエレベーターだって使用するし来場者用駐車区画だって確保するじゃん。開放廊下がキレイに掃除されているから来場者にもいい印象を与えているんでしょ。その掃除などの費用を負担していないっていうのは、どういう事??です。
これをおかしいと思わない購入者にも大いに問題ありですが・・・。

契約事務手数料や引き渡し事務手数料という、訳の分かんない費用を取り立てるのも北九州だけです。
福岡の場合、購入者がローンを利用する場合にだけ30,000円~50,000円を事務手数料として請求されます。
これは合理性があります。
自己資金だけで購入する人に対する手間と、ローンを利用する購入者に対する手間では、営業マンにかかる負荷は後者の方が断然多くなります。
しかし北九州では、自己資金だけで買う購入者に対しても、引き渡し事務手数料などの名目で100,000円くらい請求します。
この100,000円請求の根拠は、宅建業法にもどの法律にも何にも定められていません。
契約書に記載してあって、“売主買主双方がそれでいいよ”ってすればそれで有効というものです。
この手数料が1,000,000円だったら流石に購入者も怒るのでしょうが、100,000円というビミョーな金額なので、購入者は訳のわかんないまま支払ってしまっているのでしょう。

建物の床スラブ厚だって遅れています。在来スラブ200mm、ボイドスラブ275mmでは薄すぎます。
上階の音は、間違いなく聞こえます。福岡では、在来230mm、ボイド300~325mmが主流になりつつあります。

アコギな商習慣を払拭するようなフロントランナー売主さんが出てこないものか、ともう10年以上期待しています。