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福岡・北九州のマンション購入される方、マンション管理組合へのコンサルタント

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2017年12月


2017年12月28日

マンション管理士の独り言・・・873

マンション管理士の独り言・・・873

「理事長解任」

久留米のマンションで、管理会社変更に際し理事長と他の理事長とで意見が合わず、理事長がいないところで理事会を開催し、その場で理事長職を解任したそうです。
“理事会で理事長を解任できるかよ”って、理事長が訴訟を起こし、ついには最高裁まで行っちゃって、最高裁では理事会で理事長を解任できるという判断が出された、という事例があっています。NHKでも取り上げられましたので、多くの方がご存知の事でしょう。

これを聞いたときのつぶやき主の第一印象は、「現場ではそんなのやってるよ。へっ、いけなかったの?」です。現場では窮余の策で、結構行われている手法です。

役員さんについては「今年度役員選任について」と議案化され総会で承認を求めます。
この議案だけは挙手で行わず、“今年一年間よろしくお願いします”って意味を込めて、拍手で承認とする管理組合さんが多いです。
総会で承認された新役員さんは、役員の互選により理事長や副理事長などの役職が決められます。
互選というのは、簡単に言うと、役員間で役職を話し合って決めるってことです。
実際には総会後も新役員さんに残っていただき、役員さんの間の話し合いで役職を決めていきます。
その際、副理事長には多くの立候補がありますが、理事長職には誰一人として手を上げません。
そしてその結果、アミダくじによって役職が決まっていくというのがよく目にするパターンです。
規約には、役員選任は総会で、役員の互選で役職を決める、となっていても総会前にあらかじめ役職を決めておいて、総会時には理事長○○さん、副理事長△△さん、会計担当理事□□さんとして承認を得ている管理組合さんも結構目にします。

役員間の互選で理事長を選んだのだから、理事会で理事長職を解任出来るっしょ、と思っていました。理事長職を解任するのであって、解任された理事長は理事になるわけで、総会で承認された理事職を解任するわけではないからです。

2017年12月25日

マンション管理士の独り言・・・872

マンション管理士の独り言・・・・・・872

「もう少しタイル剥落訴訟」

北九州でもタイル剥落問題がないのかといえば、あります。
前回の独り言でつぶやいた北区マンション以外にもタイルが剥落して管理組合との間でトラブルになった例は存在します。
そのどちらにもつぶやき主が関与しているから売主さんや施工会社さんは、つぶやき主が煙たくて、煙たくて、状態でしょう。
関与していますが、言うまでもなく管理組合の立場に立って売主サイドと喧々諤々のやり取りです。

今回のアパタワーズ神戸三宮や北区のマンションは、5㎝×20㎝程度のタイルやその塊でしょうが、北九州でよく剥落するのは30㎝×60㎝の大判タイルですから困っちゃいます。
見かけが豪華になるので、エントランス周りなどによく使われます。
このような大判タイルが剥落し、もし通行人にでも直撃すると大怪我になっちゃいますから、貼り付け時には慎重の上のも慎重を期さなければなりません。
通常はこのような大判タイルを貼るときは、コンクリート外壁面に金具を取り付けてフックのようなもので大判タイルを引っ掛けて剥落防止とします。
金具で留めていますから剥落することはまずあり得ません。大丈夫です。

ところが経費削減か、或いは工期短縮か、大判タイルなのに金具を設置していないマンションが至る所にあります。
大判タイルなのに金具を使っていないのは、施工不良や不法行為というよりも犯罪に近い気がします。
大事故にならなきゃいいなと思っています。

2017年12月22日

マンション管理士の独り言・・・871

マンション管理士の独り言・・・871

「アパタワーズ神戸三宮」

最近頻繁にテレビのワイドショーなんかで取り上げられています。
築12年のタワーマンションですが、重さ20キロもあるタイルの塊が落下し、その補修費用約2億円を損害賠償請求しているものです。
タイルの接着力アップのための目アラシなどを行っていなかったことを施工不良として訴えているものです。

これに対し施工会社などは経年劣化だとして争う姿勢を見せています。
築12年ならば、第1回目の大規模修繕工事の時期になりますが、タイルの剥離率が15%というのはちょっと多いかなという印象です。
多い所でも10%はいきませんし、多くのマンションの長期修繕計画でも剥離率は5%程度としているところが多いです。
落下した理由のすべてが経年劣化というのはちょっと無理がありそうです。
しかし管理組合にとっては、タイル剥落は経年劣化ではなく、施工不良だと証明しなければならず、これはかなり難しい作業になると思われます。

20005年の9月に竣工しているようですが、建築工期は適正だったのでしょうか?
売主が売り上げ計上するためには引き渡しが必要なので、適正な工期よりも売主の売り上げ計上優先の引き渡し日とすることはよく行われています。
市内でも3月初旬竣工~3月末引き渡しなどのマンションを見かけますが、適正な工期なのか、キチンとした工程を経て作業が行われたのかなど怪しいなって感じています。

つぶやき主が3年前までお世話していた北区のマンションを思い出します。
アパタワーズマンションと同じような事案でした。
具体的にはつぶやきませんが、管理組合さんは大変でした。大迷惑でした。
最終的に管理組合と売主とは迷惑金支払いで合意しましたが、一部組合員はそれでは納得せず別途訴訟を提起しました。
訴訟の目的は、タイル落下という事でマンションの資産価値が低減した。その分を補償しろ、というものでした。
第1審では、その要求は退けられました。
その折、管理組合の意向に反して訴訟を提起した人に対して反感を持っていた人が法廷に来ていて、敗訴が決まった時に拍手していた、ということもあっています。
組合員間に亀裂が走った象徴的な出来事です。

2017年12月19日

マンション管理士の独り言・・・870

マンション管理士の独り言・・・870

「個人情報保護法」

個人情報保護法では、5000件以下の個人情報を取り扱う事業者はこの法律の適用外でした。したがって、多くのマンション管理組合では同法の適用外となっていました。
しかし本年5月30日から施行された改正個人情報保護法では、この5000件基準が撤廃されちゃいました。
その結果、管理組合であっても個人情報保護法の適用となり、名簿の取り扱いをより厳格にしなければいけなくなりました。

具体的には、①個人情報を取得するときは利用目的の明示。②名簿は目的外には使用しない。③安全な管理。④本人からの求めに対しての適切な開示。⑤第3者への提供については本人の同意。⑥委託先に提供するときは適切な管理。などが求められます。
これらに反すると30万円以下の罰金があるので厄介です。

この名簿の管理責任者は、理事長となります。ますます理事長の成り手がなくなりそうです。
総会では、大勢の前で議長を務め、遠慮のない非難を浴び、もし建物不具合で第3者へ損害を生じさせた時の責任も負い、訴訟が起こればその当事者となり、その他いろんなことで管理者としての責任を負わされているのに加えて、名簿の取り扱いの責任者にもなっちゃいます。

改正個人情報保護法にマンション管理組合がどのように対応しなければいけないかというと、入居者名簿、ペット飼育届け、リフォーム工事申請書、駐車場使用契約書などの届け出書類について、それらを提出してもらうときに利用目的などを記載することが必要となります。それら名簿の安全な管理については言うまでもありません。
総会の議案書にも、利用目的などを記載した方がベターのようです。

2017年12月16日

マンション管理士の独り言・・・869

マンション管理士の独り言・・・869

「民泊」

本年6月に住宅宿泊事業法(略称:民泊法)が国会で成立しました。
来年3月15日から事業の届け出が開始され、6月15日から施行されます。
分譲マンションにおいても民泊として利用したいという区分所有者が現れることが十分考えられますので、民泊としての利用はダメだ、という管理組合は管理規約などにその旨を謳い込むことが必要です。

標準管理規約では第12条に「区分所有者はその専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」と規定しており、多くの管理組合でもこのような規定になっていると思われます。
しかし“この規定だけでは十分ではない”というのが国交省の考え方です。
国交省では第12条第2項に「区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届け出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用してはならない」を追加規定するようにとしています。

しかしこれでもまだ不十分です。そのように民泊禁止と謳っていても、そんなのヘッチャラで民泊業を営む者が現れます。
各地でトラブルとなっている分譲マンションでの民泊では、管理組合が「民泊だろう」と詰問しても、区分所有者=貸主が「民泊ではない。友人に貸しているだけ」と抗弁し、ラチが開かないケースが増えています。

そこで、つぶやき主は、お世話している管理組合さんには、第12条第2項の後に、理事長が民泊かどうかを調査する権限や、調査に対してはそれを拒否できない、さらには民泊と判明したのちは、駐車場使用契約を直ちに打ち切るなどのペナルティまでも加筆しています。
これはペナルティを与えることが主眼ではなく、間違っても民泊をしようという気をおこさせない抑止力を期待してのものです。

北九州市は民泊の特区に指定されています。しかし民泊を奨励している地域は調整区域(例えば平尾台)など一般的に田舎の方の古民家再生をイメージしており、市内であってもマンションが建つような場所では民泊事業を奨励しているわけではありません。
この辺に誤解があるようで、総会では度々この質問が挙げられます。

2017年12月13日

マンション管理士の独り言…868

マンション管理士の独り言・・・868

「施工不良マンション」

築約12年、20階建て高層マンション「アパタワーズ神戸三宮」管理組合が、売主や施工会社等3社を相手取って2億4千万円の損害賠償請求訴訟を起こしました。
このマンションでは、平成15年3月に14階バルコニー外壁に貼っていたタイルが幅約1,5mにわたって剥落し4階住戸のバルコニーに落ちるという事故が発生しました。
その重さ約20Kです。
外壁タイル補修に管理組合は、修繕積立金だけでは不足し、更に1億円の借り入れを起こしました。

この事故の後、管理組合では第3者の設計士に依頼し劣化診断を実施しました。
その結果、約15%のタイルに浮きが見られ、一番陽の当たる南側では約35%にまで及んだという事です。
築12年ならばタイルの浮きは、3~5%というのが一般的ですが、その3倍もの浮きが見られるのは施工不良が原因だとして訴訟を提起したものです。これに対し売り主、施工会社サイドは、経年劣化によるものだとして争う姿勢を見せています。

また、購入者は売り主との間で不動産売買の通例で瑕疵担保特約を引き渡し後2年という契約を結んでいましたが、管理組合側は「外壁タイルの剥落や浮きは、完成後相当期間経過しないと発覚しない」と指摘し、「2年で免責というのは買主から売主に対しての責任追及の機会を奪うものだ」としています。

論点の主なものは2つあります。まずは施工不良なのか、或いは経年劣化なのか?ですが、管理組合側が第3者の設計士の協力を仰ぎながら、どれだけ施工不良を証明する証拠を揃えられるかどうかです。すでに建ち上がったものの施工不良を証明するのは至難の業と言えます。
更には2年の瑕疵担保期間が合理性があるのか?ですが、これもかなり難しいと考えられます。では何年が適当なのか?民法の1年間の瑕疵期間を宅建業法という民法に対しての特別法で引き渡し後2年ということを定めていることとの整合性は?など認められるにはかなり高いハードルが聳え立ちます。

2017年12月09日

マンション管理士の独り言・・・867

マンション管理士の独り言・・・867

「どこも、かしこもタイルじゃあ?」

毎朝モノレール駅周辺を犬の散歩しています。
エースという名前のビーグルです。もう16歳の老犬です。
尻尾が根元から半分くらいしか毛が生えていません。
飼い主に似て毛が抜け落ちてしまいました。
飼い主は頭、ワンのほうは尻尾という違いがありますが、飼い主に気を使ったのでしょうか・・・。
お分かりの通りつぶやき主の会社「エースマンションコンサルタント」はこの犬の名前からきています。犬の名前の方が先です。
もし犬がポチだったら、「ポチマンションコンサルタント」だったかも。

モノレール駅には外壁のいたるところにタイルが貼っています。
1度でも乗ったことがある人はお判りでしょうが、駅舎にはモノレールが発着するたびにかなり大きな振動が発生します。体にも感じるほどです。
その影響でしょうか、アチコチでタイルが剥落しています。
“こんなに振動が激しい所にタイルは貼らないよな”って当初から思っていました。
冗談半分でまだ張り付いているタイルをちょっと堅めのキーなんかで叩いてみましたが、コンコンと面白いように浮きが見られます。

またタイルの貼り付け方も、あきれることに深目地仕様です。
タイルの貼り方には2種類あり、深目地と浅目地です。
深目地というのは、貼られたタイルを真上から見て、タイルとタイルの間のセメント目地が奥まって深い所に見える仕上げです。
タイル1枚1枚の凹凸感が出て、豪華な仕上げに見えるという特徴があります。
これに対し浅目地というのは、目地が手前まで来ている、隣り合ったタイル間の目地がタイル表面と同じくらいの高さまで埋まっている仕上げの事です。
目地がタイル表面まで来ているので、当然ですが深目地よりも強度があります。
タイルとタイルが目地でガッチリとスクラム組んでいる感じです。

2017年12月06日

マンション管理士の独り言・・・866

マンション管理士の独り言・・・866

「絶滅危惧種」

前回の独り言の続きのような始まり方ですが、先日のマンション管理士試験の受験生の推移をみて驚きました。受験生がどんどん減っています。
この資格が出来た平成13年には受験生は約11万人でした。
その後、平成14年には約6万人と毎年減少し、平成28年には何と16,000人にまで落ち込んでしまいました。
合格率は7%平均ですから、受験生の減少に伴って、合格者数も平成13年の7,200人から平成28年には1,100人にまで減ってしまいました。

減った主な理由は、前回もつぶやきましたが、試験に合格しただけでは実際の管理組合の現場では全くと言っていいほど役に立たず、実務経験がないと通用しないということです。
また、顧問契約に至るまでのハードルが高いことも原因の一つだと感じています。
マンション管理士との顧問契約は個人との間で結ぶわけでなく、管理組合と締結するわけですから、総会の承認が必要となります。
そのためには、まずは理事会に“顧問として採用する価値があるよ”“議案化して総会に諮ろう”ってプロセスを経なければなりません。
つぶやき主の経験では議案化してもらうまでに約1年間はかかります。その間は無報酬で理事会に参加しなければなりません。

特にこの間に“流石にマンション管理士さんだけあって詳しい”“いろんなやり方や実例を知っていて提案してくれる”と理事の方に思っていただく事が必要です。
“大したことも知らないのに、お金を出してまで雇う必要があるか?”と思われちゃったら「マンション管理士を顧問採用」との議案化は、まず無理です。
ご年配の百戦錬磨の役員さんたちにマンション管理士の価値を分かってもらえるだけの知識と経験と、他のマンションでの実例を持ち合わせていなければ、あえなく撃沈です。

2017年12月03日

マンション管理士の独り言・・・865

マンション管理士の独り言・・・865

「マンション管理士試験、ご苦労様でした」

毎年11月の最後の日曜日は、「マンション管理士試験」の受験日です。今年は、11月26日でした。
翌週の12月第一日曜は、「管理業務主任者」の受験日です。
つぶやき主の数少ない昔からの友人も受験しました。
つぶやき主が合格した平成19年にも一緒に受験したので、もうかれこれ10年選手です。いつも1点か2点足りず、“もう少し”“あと一歩”というところです。
これが10点も足りなければ、“自分には無理”って諦めもつくのでしょうが、ほんのもう少しなので却って諦めきれないようです。
今年はどうなのか?美味しい酒が飲めればいいのですが。

マンション管理士試験の受験生は毎年減少しているようです。
くだんの彼も、受験当初は「マンション管理士試験に合格して管理組合から顧問契約をもらって、老後の生活を支える」なんて言っていましたが、近くでつぶやき主の仕事をつぶさに見ていたので、「マンション管理組合相手の仕事は大変だ。仮にマンション管理士試験に合格しても、自分には務まらない」と言い出しました。
マンション管理士試験に合格してもマンション管理士として通用しない、務まらない大きな理由は、決定的に実務経験がないことです。
また、構造や設備の知識、売り主の販売手法、管理会社の考え方なども分かっていなければ務まりません。

マンション管理士の受験資格には、実務経験は問われていません。
ですから、ちょっと法律に詳しい人ならば、机上の勉強だけで合格することも十分可能です。
しかしいざ合格しても、管理組合理事会や総会に出席したことさえない方が実務をこなせるほど現実は甘くありません。
特に年齢や家族構成も様々、学歴だって、お仕事だって、考え方だって異なる、“いろんな方”が住んでいるのがマンションです。その合意形成は容易ではありません。
「この世の中で一番難しいのは合意形成だと言っても過言ではない」と、最近はつくづく感じています。
この辺りの事情が段々周知されてきているようで、試験には合格してもその仕事には就かない、その業界にも入らない、って人も増えてきています。



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